2008年1月1日火曜日

NY -5日目- ~カウントダウン~

NY5日目。

この日は朝起きるとだるくて仕方なかった。
というのもベッドのぬくもりが気持ちよかったというのもあるが、
何よりカウントダウンという恐怖のイベントに参加しなければならなかったからだ
しかしNYに来た目的のひとつが年末をタイムズスクエアで過ごすというものもあったので
行かないわけにも行かなかった。
それに行けば楽しいに決まってるという考えを元に俺はベッドからやっとこさ抜け出た
そしてとりあえず時間まではタイムズスクエアのあたりでうろつくという考えを持っていた俺らは
タイムズスクエアへ移動。
悠君は友達が俺らの宿に一時的に荷物を置きに来るということで宿で友人が来るまで待機。
後で俺らと合流という形になった。

俺ら3人、俺、シラッチモンド、きさびーはタイムズスクエアについて考えの甘さを思い知らされた。
昼間にタイムズスクエアをうろつく?

無理ーーーーーーーー!!!

タイムズスクエアはまだ昼にもかかわらず、人という人であふれていた。
毛布にくるまってイスまで用意し、待つ人など俺らとは気合のいれようが違った。
そして気合の入れ方が違うのは何も一般市民の皆様だけではありませんでした。
おそらくNYすべての警官、もしくはそれ以上の警官がこのタイムズスクエアに配備されているのではないかと思えるほどのすごい数の警官!!
観光客のみなさんはその多さのあまりに記念撮影しておられました^^
その写真はあとで載せます。
で、タイムズスクエアにあるほとんどの店も大体3時くらいには店じまい。
おそらく混乱を避けるためでしょう。

俺ら、3人は幸い、長い時間開いている店を発見し、その店で休息をとることに、
なかなかおしゃれなお店で、いろんな食べ物がおいてあって、朝、昼両方食べてなかった俺らはそこで昼食を取ることに決定。
幸運にも席も確保できたので。
とりあえず、6,7時くらいまではここにいることに決めたので、
3人で近くに座っていたきれいなフランス人を眺めながらまったり。
どうせ俺らの言ってる日本語なんて誰も理解しないので、好き勝手しゃべってました。
目の前にフランス人の人たちいるのに

俺「俺らの横の席に座ってる人きれいやな~」

シラッチモンドちら見しながら

シラ「うわっ!ヤバイな!!」

シラ「やっぱ。アメリカ人とはまた違うな!おしゃれやもん」

などと会話しながら、まったり。
俺は途中眠くなったので熟睡。
何回か起きたけど、熟睡。
そのうち、きさびーも熟睡。
全員が寝てしまうと非常に危険なので、シラッチモンドは寝れず、
俺らの荷物の番。
しばらくして、起きて、トイレ行こうとすると、

シラッチモンド「この店トイレないで」

俺「え、さっき自分あるって言ってたやん!」

シラ「え、うん。警備のおっちゃんが適当に言っただけやったみたいやわ!」

きさびー「え、俺も行きたかったのに」

シラ「今のうちに外に探し行ってきたら?悠君来るまでもう少し時間あるし」

ということで、俺&きさびーはトイレ探しの旅へ。
もう前回のボストンでの経験から、この騒ぎの中でも開いてるのはホテルしかないということで
近くにあったホテルに駆け込む。
しかし、ここでトイレを借りるためだけに来たとあっては断れるかもしれないので
宿泊客の振りをして、カウンターを素通りし、トイレの場所を知っているかのように、
当然のごとく奥へ進む。
すると、なんとミラクル!
その道は、どんぴしゃりで正しい道だった。
俺ときさびーは前回のようにならず、すぐにトイレを見つけられたことに大満足しながら
用を足したのであった。
そしてトイレを出たあと、ホテルのスタッフの方の視線が背中に突き刺さっているような気がしながらも
そのまま、振り返ることなく、とんずら!

シラッチモンドのもとへ戻ると、まだ悠君の姿はなく、シラッチモンドがさびしそうに、
一人で荷物の番をしていた。
気づくと、俺らの分のイスは隣の人たちにとられていた。
仕方なく、店の反対側からイスを持ってくる俺。
これでなんとか3人分のイスを確保。
カウントダウンまでできるだけの体力は確保しておきたかった。
また、眠くなったので、俺はもう一眠り。
そして、起きると悠君が目の前にいた。
若干寝ぼけていた俺は、ぼ~っと悠君を数秒眺めたあと、再び眠りにつこうとして気づく

俺「うぉっ!!」

俺「いつついたん!?」

悠君「あ、あ~、今さっき」

俺「そっか、全然気づかんかった」

彼の横にはもう二人連れがいた。
悠君と同じく関西外大からアラバマに留学している人たちだった
(この人たちが俺らの宿に荷物を置きに来た人たちだった)
起きたばかりでまだ頭がぼけていた俺は適当にあいさつだけすましてぼ~っとする。
ぼ~っとしつつも俺はカウントダウンに行く決意を固める!
行けば楽しいはずだし、思い出にも残るはずだ、と。
そして、みんなで出発したのだった。

今回の旅全体でこれは言えることだったが、旅行に下調べは肝心である。
というのは、いくつか誤算があったからだ。
まず、タイムズスクエアに入るための入り口が一箇所に制限されいていたこと。
二つ目はバックパックを持ってはその入り口にすら入れないということ。
俺らは俺を含める4人中3人がバックパック所持者だったので、通行を許可されなかった。
さすがに警官相手に強行突破する気は起きなかったので、とりあえず、ゲートまで行って
交渉することに決定。
アメリカだから交渉すれば、俺らのバックパックの安全性を証明できるはずだ、と思い、
ゲートへ向かう。
ところが、警備はそう甘くはなかったようだ。

俺「すいません、ここ通りたいんで…」

まだ俺が言い終わらないうちに

警官「No backpacks!!」

俺「いや、それはわかってるんで、チェックしてもらえないですか?」

警官「No backpacks!!」

警官はとりつく島もなく、俺らはゲートの外へと離脱。
もうここまでやられると、俺らもあきらめムードが漂った。
俺ももう別にいいや、という気持ちになっていた。
しかし、ここに一人まだ考えをめぐらせている男がいた。

吉崎(悠君)だ。

彼の一言
「バックパックをスーパーの袋に入れたら、いけるんじゃね?」

メンバーとりあえず、笑う。

俺「いやいや、そんなんで騙されへんやろ~?てか、透けて見えるんちゃう?」

悠君「いや、今さっき買ったて言えばいいんじゃね?」

   ……………

なんかちょっといけそうな気がしてきた俺らは急いで
悠君が偶然調達してきていたビニール袋へ荷物を入れていく。
そして、念入りにチェックされるとバレてしまうことは必至なので、
信号を渡ってきた群衆にまぎれて潜入することに決定。

3、2、1、

今だっ!!

ということで群集のど真ん中に突っ込んでそれぞれがゲートへ向かう。

歩く、心臓をバクバクいわせながら、歩く
ヤバいことをしてるんだ、という感覚が余計に鼓動に拍車をかける。
もう、警官が自分の目の前まで来ている

俺(いけるのかっ!?)

ドキドキも最大に達していたが、なんと
さっきまで
「No Backpacks!!」
と言っていた警官たちを潜り抜け、中へ入っていた!

やったぜ!!

と思っていたのも束の間。
目の前に第二の関門、金属探知機が待っていた。
興奮に膨らんだ心が穴をあけられた風船のようにしぼんでいった。
ここまでなのか!?
とりあえず、群集にまだまぎれつつ進む。
そこはチェックしやすいように縦一列にならなければ通れないようになっていた。
これでは袋の中をチェック受けること間違いなし。
そして、いよいよ俺の番が来る

警官「この袋の中に何が入ってるんだ?」

的なことを聞いている。
千北君、ここはアクロンで危険を避けるために学んだ必殺の

アイアムジャパニース アイキャンノットスピークイングリッシュ 作戦を使うことに決定!

俺「は?」

警官はもうあきらめたのか、バッグの質問は終わり、
金属探知機がポケットに反応していたので、

警官「ポケットに何入ってるんだ?」

俺、今度は何事もなかったように、英語をしゃべりだす

俺「カメラです。」

と言って、カメラを見せる

警官「行ってよーし。次!」

俺は怪しまれないように先まで進み、ちょっと行ったところで
シラッチモンドを発見。
彼もどうやら無事に突破できたようだ。
ということで、そこで残りのメンバーを待つ。
誰か引っかかったら、どうしようと考えていたら、もうすぐ横にきさびーと悠君がいた。
まだ興奮した状態でお互いの武勲をたたえあう!
そしてその後すぐにヒーローインタビュー!
今宵のお立ち台は…

今夜は見事警官の目を欺くアイデアを出した、吉崎選手がお立ち台です!
吉崎選手、コメントをどうぞー!

悠君「KマートのKはキングのKやー!!」

(俺らが入れたビニール袋はKマートの袋だった)

悠君「今日、Kマート行ってよかった!!」

以上、吉崎選手でしたー!
この名言と、武勲は後世に語り継がれていくことでしょう(笑)
喜び勇み俺らは前まで進んでいくと、なにやらまた群集ができている。
どうやら、ワンブロックずつ進んでいくことになるために、毎度警官によって封鎖されている模様。
そして前のブロックが開いたら、ワンブロック進み、また止まり、またしばらくして少し進み、
ということを繰り返していく形になるらしい。
時間はこのとき、確か8時半くらいだったかな?
外は凍えるような寒さ。
その中で割りとすぐに最初のブロックから移動。
この移動がすごかった。
みんな我 先にと押し合い、へし合い、前進む。
逆に歩いていくほうが押されて危ないくらい。
ということでこけそうになりつつ、なんとか移動。
そっからが大変だった。
寒い中で何もせずにじっとひたすら待つ。
ワンブロック進んだところで、まだまだ遠いタイムズスクエア中心部。
しかもワンブロック進むのはそうそう頻繁にあるわけではなく、長い時間その場に足止め。
さすがに体を動かすこともなくその場に立っているのは熱をがんがん奪われいくようで、
開始1時間ちょいで、カウントダウンが甘いものでないことを知る。
自分の体はもう熱を生むことをやめてしまったのか、
体はいっこうに温まらない。
そして風邪を引いてしまったのかのどがちょー痛む><
それに加えて、長い間、ただ立っているだけの状態の足もなかなか限界に来ている。
残り2時間もこの状態が続くことを考えれば、自分の体がどこまで持つかは考えたくもなかった。
このときはもはやあのときの武勇伝が憎らしく思えてくる。
どうしてあそこで突破してしまったのか、と。
むしろ、つかまっておけば><
そんなマイナスのことばかり考えていると、ポジティブさというのは消えてなくなっていくもので
いつしか、俺は帰ることだけを考えていた。
そして寒さが限界に来ていたころ、俺はひとつ提案した

俺「ちょ、限界だから、どっかで休む or 帰りませんか?」

きさびー「ちょ、俺もヤバいかも」

てことで、そのときちょいと離れた場所にいるシラッチモンドに悠君が電話

悠君「ちょっと、ちぎが限界らしいんやけど…」

シラッチモンド「もう少し頑張ろうよ!ここで帰ったら絶対後悔するって!最後までおろうや!いたら絶対楽しいって!!」

俺はそのシラッチモンドの情熱を消し去ることも出来ず、さっきまでの俺の考えと重なるものもあって、
もう説得をあきらめてしまった。
俺の頭はどうやれば帰れるか、ということを考えてばかりいたが、
結局、それはもうどうやら無理そうだとわかると、
考えを変え、
どうすれば最後までもつか?
ということにフォーカスすることにした。
とりあえず、別のとこにワンブロック移動した俺らは先へ進むことはせず、群集の後ろのスペースでじっとしていた。
先へス寸d目オ大して距離は変わらないと判断したためだ。
そこである程度のスペースを得た俺は、考えをめぐらせていたが、
通りに沿って建っているホテルの客が俺ら群集に対していろんなことをしていたので
それで時間をつぶすことにした。
とりあえず、ほかにものに集中していれば寒さを少しは忘れることができるんじゃないかと思ったわけで、まあ、なかなかそれは正解だったようで、それで1時間くらいは消化できた。
残りの時間は時と寒さを忘れるために歌を歌っていた。
一曲5分として計算すれば、12曲歌う間にはカウントダウンの時間になるのであり、耐えられそうな気がしたからだ。
途中からシラッチモンドも参加し、二人で歌詞を知らない曲まで歌っていた。
これははっきり言って、もっともよい方法だった。
歌詞を思い出そうと集中するし、歌うことによって若干体が温まるからだ。
おまけに歌を歌うのは楽しいので割りと時間の経過も忘れやすい。
そして気づけばもう15分前になっていた。

そして10分前...

5分前...

タイムズスクエアは興奮に満ちていた
一分毎に誰かが叫んでいた

「5分前ーーーーーーーーーー!!」

そして1分前...

もう40秒前から10秒毎のカウントダウンが始まる
そして電光掲示板に表示されているカウントダウンが
10秒前をつげる

10、9、8、7、6、5、4、

3、

2、



「Happy New Year!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

タイムズスクエアにいる人すべての人が叫んだのではないだろうか
全員が発狂したように叫び、クラッカーを打ち鳴らす人もいた。
(うちのホストファミリーは彼らをフーリガンを呼んだ 笑)
そして0時になると同時にセントラルパークできれいな花火が上がった。
しばらく花火を見つめたり、写真や動画を撮ったりして、時間をすごしたあと、
帰ることにした。
たった5分ほどの時間のために何時間も待ったのかと思うとアホみたいだが、いい思い出となった。
ただ、今回ひとつおもったのは

「二度とタイムズスクエアへはカウントダウンに行かない」

ということだ。
たった5分のためには代償がでかすぎる。
帰る前に俺らは宿の近くのうどんやにより、
年越しそばならぬ、年越しうどんを食べ、宿に帰った。
宿に帰って確信したことは、どの時点でそうなったかはしれないが、
自分は風邪をひいていた><
宿に帰っても、自分の体は一向に温まらず、のどの痛みも全く引かなかった
結局、きさびーから薬をもらって布団にくるまってすぐ寝た。
悠君の友達は行くところ(泊まる宿)がなかったらしく、俺らの宿に一時的に滞在することになった。
とはいえ、俺らのせまい部屋にさらに2人を泊めるスペースなどなく、仕方なく、
二人には共同スペースであるキッチンで寝てもらった。
申し訳なかったが、千北君のベッドと心にはもうゆとりはなく、
(ベッドには下に置けないスーツケースもおいてあった)
おまけに風邪も引いているということもあって、
死んでもベッドは譲れなかった。
ということでみんなの使っていない毛布やなんやらをいろいろ寄付してキッチンで寝てもらいました
次、年末のNYに来るときは宿をきちんと取ってから来ましょう!
それと、自分らで多少の毛布くらいは持ってきておきましょう!
以上。
この日俺は3時くらい就寝。
他のメンバーも4時には寝たそう。

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