2009年4月9日木曜日

付加価値創造

さてさて、嵐山に行くために乗った電車での気づきについて書きます。

僕は最近、付加価値というかブランディングというか
そのあたりについて考えたりすることがあるわけですが、
それで思ったのはどんな製品やサービスも最終的には単なるものとしての機能を超えたものを提供するようになるということです。
このままだと非常にわかりにくいので例をあげます。
たとえば、食品企業であれば、提供しているのは食品で人の胃袋を満たすものです。
しかしながら人の胃袋を満たせればそれでいいのかというとそういうわけではないので、
食べる喜びだとか楽しみだとかそういう意味を食べ物に付加するようになる。
僕がいいたいのは機能を提供しているのはもちろんなんですが、
それ以上に何かしら抽象的な意味を製品やサービスに付加しているということです。
そしてそういった付加価値がブランディングにもつながってくるのかなと思いました。

そこでいろんなものについて考えて、どんな付加価値が加えられているのかなと考えました。
その時に電車はまだそういった付加価値を提供しきれていないんじゃないかと思いました。
「電車に何を求めるんだ。乗って目的地に移動できればそれでいいじゃないか」
と思う人も当然いると思うんですが、電車も一応ビジネスですし、それでは足りないと思うんです。
たとえば同じ移動手段である車では全く違います。
移動するという機能的な意味合いで使う人もいますが、
車に乗ることが目的の人も非常に多いです。
なんせドライブに行くという言葉があるくらいですから。
そして車の中にはその乗っている時間を楽しむために
音楽や映画などの機能も備わっています。
これは車を移動手段としてだけとらえているなら必要のない機能のはずです。
これが意味するところはその空間や時間を楽しむということです。
車にはそういう付加されている要素が数多くあります。

しかし、電車においてはそれが実現されていません。
新幹線などは快適な空間を目指して、試行錯誤をすすめていたりもします。
また、ここまで言うと、それは価格が違うから実行が不可能だと考えられる方もいるかもしれません。
確かに、それも一理あると思いますが、僕としての答えはNOです。
何事もマーケティングのやりようによってはヒットを導き出せるものなのです。
それは価格の違いによって左右されるものではありません。

ここまで長々と語って来て、じゃあどうするんだという具体的な疑問が
読者の皆様に生まれていると思いますので本論に入りたいと思います。
僕も最初は、車のように車内の高機能化、多機能化を図るべきかと思いましたが、
それはコストに対してよい効果が得られるとは思いませんでした。
そこで昨日のアナウンスです。

「次の駅では桜が満開ですので、お客様は車窓からそれをお楽しみください」

これだ!と思いました。
思わぬところから発見はあるものです。
電車の魅力ってのは外の景色をゆっくり楽しめる点にあるんですよね。
そして、いろんな駅をめぐる。
人が電車を交通手段ではなく、乗ること自体を目的にするためには
次の二点の実現が必要ではないかと思いました。

・駅それぞれのブランディング(or 差別化)
・車窓からの風景

この二点を強化することが人々が電車に乗ることを目的としてくれる要素ではないかと思いました。
駅それぞれのブランディングというのは嵐山の近くの駅のように
人々がそこで降りたくなるような駅作り。
それはその土地の特徴を活かした駅づくり。
がむしゃらに駅の高機能化を図るのではなく、
そこ独自の味を出していく、桜を植えたり、地元の野菜を売ったり。
やりようはいくらでもあると思います。
そっちの方のアイデアは何も考えてなかったので申し訳です。

もう一つの車窓からの風景というのは実現が難しいかなとは思うので、
どうかと思ったんですが、気にすると全く変わってくると思います。
これはシティブランディングとも関わってくるので、町の再開発だとか、
なんか大規模な取り組みでやると非常におもしろいと思います。

これらを実現するとともに、最後は駅員さんのサービスの向上ですね。
車掌さんはバスガイド的な精神が必要なんだと思います。
そうすることによって、より一層電車で過ごす時間というのが楽しくなると思います。

電車はどういうビジネスになっているのか僕は知らないですが、
そういう改革が必要な時期だと思います。
社会に必要なインフラなので最低限は保証されますが、
そうではなく、お客様のためを考え、インフラ以上の役割を果たすべきだと思います。
それが今後のビジネスのあるべき姿ではないかと思います。
機能だけを提供すればいい時代は20世紀で終わりました。
21世紀は付加価値を高め、機能+αのαをいかに高めていくかの時代になっていくと思います。
それは製品のデザインであったり、安全であったり、企業によって変わります。
しかし、そういった意味合いを付加していくことが今後は重要なのでないかと僕は考えます。

2 件のコメント:

shin さんのコメント...

+αは大事ですよね。

飛行機やタクシーでは
個別のサービスができるのに

何で電車ではできないんでしょうか
・乗務員の数
・移動時間がばらばら
・乗客の数

これを何とかクリアすれば
最高の電車になりますよね。


実現・・・どうですか(笑

chigi さんのコメント...

One to One marketing 的なものは電車は難しいと思うわ。価格的な面で。
でもITの力があれば多少なら何かしら改善できる日はすぐに来ると思う。

安いの前提で付加価値をつけていく努力をすべきだと思う。